先週の段階で日経平均は、2月以降継続する、14,000~15,000円のレンジ相場をブレイクするという展開にはなっていません。
ただ、米国10年国債は、先週5/14の段階で一足先にレンジ抜けとなっています。
2/3に2.61%をつけて以降、3ヵ月弱、2.6~2.8%のレンジ内での動きを続けていたのですが、5/14に2.54%をつけて、上抜けしています。
その後、5/15は続伸(金利低下)し、5/16は反落して引けています。
基本的に金利低下は株にとってはプラスなのですが、現在の市場環境では、米国金利の低下は、日米金利差の縮小につながることから、円高要因となり、株にはマイナス要因となっています。
チャートを見ても、3.04(12/31)から2.61(2/3)まで金利低下が進んだ時期は、日経平均が年初、16320(12/30)から13995(2/5)まで下落した時期とほぼリンクしています。
よって、米国10年国債が3ヵ月弱続いてきたレンジ内での動きを抜けてきたという事は、これから更に金利低下が進行する可能性があり、要注意という事になります。
ただ、先週の段階では、米国金利の低下が進んだものの、ドル円はレンジ内の下限での水準で踏みとどまりました。
ドル円がレンジ割れをしなかった為、日経平均もレンジ内の下限で踏みとどまるという展開だったのかと思います。
しかし、米国10年国債がレンジ抜けしている点からみると、おそらく、今週の前半は続伸(金利低下)の反動から調整(金利上昇)はあるものの、後半から来週にかけては再度(5/15)の高値2.5%を伺う展開になるのではないかと思っています。
(5/15)の高値2.5%を越えて更に金利低下が進む展開となった場合、その時ばかりはさすがにドル円もレンジ内を下抜け(円高進行)してくるのではないかと見ています。
また、5/8の記事でも書いたように、ナスダックのチャートは、4/15以降、三角保ち合いのパターンをやっているように見えます。
3946(4/15) ⇒ 4177(4/24) +231
4177(4/24) ⇒ 4021(5/7) ▲156
4021(5/7) ⇒ 4155(5/13) +134
以上のように、上下に動く間隔の幅が徐々に狭まってきています。
この点からみても、そろそろ保ち合いを離れる(※)時期が近づいているのではないかと思います。
(※)保ち合いを離れるとした場合、下離れを想定。
以上見てきたように、ドル円、ナスダックともにだいぶ煮詰まりつつある状況にあるので、近々動きが出てくるのではないかと思っています。
現段階においては、以下のような動きが、今週後半から来週にかけて出てくるのではないかと見ています。
①米国金利の低下が更に進行する事で、円相場がレンジ割れ。
②ナスダックも三角保ち合いを下離れ。
③それに伴い、日経平均も14,000円を割り込み、6月安値に向けた下落がスタート。
ただし、昨日も書いたように、そうはならず、引き続き14,000~15,000円のレンジ相場を継続する動きとなった場合は、従来から想定している6月安値のシナリオの実現可能性は低くなると思います。
いずれにしろ、今週から来週にかけての動きは、今後の展開を予想するうえで特に重要になるかと思われます。