先週金曜日は、トランプ大統領が緊急事態宣言を出して、NYダウは9%を超える上昇。
そして本日は早朝にFRBが政策金利を1%に引き下げる緊急利下げを行うとともに、7000億ドルの資産買い入れによる実質量的緩和の再開を発表しました。
それにもかかわらず、今日の日経平均は17586円で寄り付き、150円程度高く始まったものの、先週金曜日の日経平均先物の引け値よりも安く始まりました。
その後は、日銀が18~19日に予定していた金融政策決定会合をきょうに前倒しして、ETFの買い入れ枠増額などの追加緩和策を打ち出しました。
それをうけて14時10分には17785円まで上げましたが、それ以上買いは続かずに引けにかけて売りに押される展開となり、日経平均は▲429円の17002円で終了。
4日続落となりました。
売買代金は3.3兆円台。
騰落銘柄数は、値上がりが1019銘柄に対して、値下がりが1098銘柄で、拮抗する形でした。
FRBの緊急利下げおよび量的緩和の再開、日銀の追加緩和でも下げて終わる異例の展開
先週金曜日の1129円安をうけて、騰落レシオ(25日)は43.3%まで低下。
また、75日線との乖離は▲24.2%。
新安値は1721だったので、通常のパターンで考えれば、ここがセリングクライマッスとなり、今日は反発となるはずでした。
しかも今日は、3/3に続くFRBの緊急利下げおよび量的緩和の再開。
更に場中には、日銀の追加緩和の発表もありました。
にもかかわらず、本日は日中の安値で取引を終える形になったので、これはかなり衝撃的な結果でした。
今の市場心理が相当に悪化していることの現れだと思います。
本来であれば一旦下げ止まってもおかしくないところで更に下げてくるということは、何かとてつもない事が起こっている現れではないかと思われます。
このような動きは、リーマンショックの時にも経験しました。
あの時はテクニカルがまったく役に立たず、どこまで下げるのか全然わからないという感じでした。
今日の下落はそれを想起させるような動きだったので、ここからリーマンショックの時のような動きに発展する可能性もあると思われます。
なお、リーマンの時の日経平均PBR(純資産倍率)は0.81倍が最低でした。
それが今日の時点で0.82倍まで低下しているのですが、夜間市場に入ってから日経平均先物が16200円まで下げているので、更にその水準をも超えてきそうな感じです。
という事は、今回の暴落は100年に1度といわれたリーマンショクをも超えてくる可能性があると考えるのが妥当のようにも思われます。
ちなみにリーマンショクの時につけた、75日線との最大乖離は▲39.8%でした。
今日の時点の75日線は22944円なので、ここから▲39.8%があるとすると14000円程度になります。(75日線は日々下落する傾向にあるので、13500円あたりを▲39.8%水準と考えます)
また、リーマンショクの時は12263(2008年9月22日)から急落が始まり、6994(2008年10月28日)まで、▲42.9%下げました。
今回の急落の起点は、23806(2020年2月20日)になりますので、そこから▲42.9%下げると13593円になります。
というわけで、13500円辺りまで仮に下げたらそこが一つのポイントになると考えますが、仮にその水準をも超えて下げてくるとなると、リーマンショク超えとなり、果たしてどこまで下がるのかという感じになってきてしまいます。
なんとも暗い話ばかりになってしまったのですが、ただ、ここで更なる暴落があったとしても、日本の企業がすべて倒産して株式市場が閉鎖されるというわけではありません。
過去のチャートを見てもわかるように、リーマンショックの時に株価が10分の1ぐらいまでたたき売られた株でも、ビジネスモデルが優秀な会社はそこから切り返して、暴落時の下げをリカバーし、更にそれ以上の高値をつけている会社がいっぱいあります。
というわけで、この先どこまで行くのか底が見えないところもありますが、この暴落は優良企業をお買い得価格で仕込める10年に一度ぐらいの大チャンスになると思いますので、気持ちを切り替えてマーケットの動向を注視していきたいと思います。