日経平均が上がると考えた場合、日経平均先物(大阪取引所の日経225先物)や日経平均に連動するETFを売買するという考え方もあるのですが、日経平均先物や日経平均に連動するETFの場合、買って持っていても配当がつきません。
この点、くりっく株365の場合、同じように日経平均を対象にした株価指数先物取引で「買い」のポジションを持っている場合、配当がつきます。
よって、日経平均連動型で「買い」のポジションを持つ場合、くりっく株365を使って取引した方が有利と考えます。
以下では、くりっく株365を使って日経225先物を「買う場合」と、大阪取引所の日経225先物を「買う場合」との比較をまとめています。
(どちらも「買い」「売り」ともに可能ですが、今回は「買い」の場合に絞って比較をしています)
従来の日経225先物と比べて、くりっく株365の方がプラスと思われる点
くりっく株365の日経225先物と、大阪取引所の日経225先物は、どちらも株価指数を対象とした証拠金取引になるのですが、上場している取引所が違います。
くりっく株365の日経225先物は、東京金融取引所に上場しており、大阪取引所の日経225先物は、大阪取引所に上場しています。
で、特徴面での違いなのですが、くりっく株365が優れている点としては、次のような面が挙げられます。
1)日経平均(日経225)以外に、NYダウなどの代表的な株価指数にも投資できる
現在、くりっく株365では、次のような株価指数に投資する事が可能です。
①日経225(日本)
②NYダウ(アメリカ)
③DAX(ドイツ)
④FTSE100(イギリス)
なお、普通にNYダウやDAX等の海外の株価指数に投資しようとした場合、為替の変動を別途考慮する必要が出てくるのですが、くりっく株365の場合、円建てでの取引になるので為替リスクはない、という事になります。
2)1年に1度の取引最終日までの期間内であれば、いつでも取引が可能
日経平均先物で投資した場合は、メジャーSQが3か月に一度やってくるので、まだポジションを持っていても良いと考えていても、SQの前に一旦ポジションを閉じないといけません。
個人投資家の場合、ロールオーバー(次限月以降のポジションに乗り換えること)ができないので、継続してポジションを持ちたい場合は、一旦期限が到来した限月分を決済して、次限月以降のポジションを新たに建てるという手続きをふむ必要があります。
それがくりっく株365の場合、1年に1度の取引最終日までの期間内であれば、いつでも取引が可能となります。
これは具体的にどういうことかというと、毎年9月に取引が始まり、翌年の12月にリセット日を迎えるまでポジションを持ち越すことができる、ということになります。
以下がその具体例となります。
例1)今年の10月にくりっく株365でポジションを持った場合、翌年12月まで、期間でいうと14~15か月程度決済せずにポジションを持ち越すことができます。
例2)翌年の3月にくりっく株365でポジションを持った場合、翌年12月まで、期間でいうと9~10か月程度決済せずにポジションを持ち越すことができます。
3)配当がつく
メリットとして最も大きいと思われるのがこの点です。
大阪取引所の日経225先物を買っても配当はつきませんが、くりっく株365で日経225先物を買えば配当がつきます。
以下は、2014~2019年の日経225先物1枚あたりの年間配当実績になるのですが、これによると1枚あたり25,000~43,000円程度の年間配当(年間配当は年々増加傾向にあります)がついている事がわかります。
※出典:東京金融取引所Webサイトより転載
従来の日経225先物と比べて、くりっく株365の方がマイナスと思われる点
1)金利の支払いがある
くりっく株365で「買い」のポジションを持つ場合、配当を受け取れる代わりに、金利相当額を支払う必要があります。
この点は、従来の日経225先物取引と比べてマイナスの要素かと思われます。
ただし、これまでの1枚あたりの年間支払い金利は次の通りです。
2014年:918円
2015年:1283円
2016年:130円
2017年:0円
2018年:0円
2019年:0円
2020年:0円(※)
(※)2020年10月に商品性が一部変更となり、日経225リセット付証拠金取引は2020年10月26日に上場しているので、2020年は10月以降の支払い金利の実績となります。
現状は、日銀のマイナス金利導入の影響もあり、2016年3月以降の支払い金利はゼロとなっています。
よって、金利の支払いがあるという点はマイナスですが、今のような低金利環境ではマイナスの要素にはならないと思われます。
2)手数料が高い
くりっく株365の取引手数料は会社によって異なります。
以下は、くりっく株365の取り扱いがある、主な証券会社の手数料になります。
これによると、155~156円(税込み)あたりが手数料安値圏となっていますが、ひまわり証券の147円(税込み)が最安値となっています。(ネット証券大手の松井証券や楽天証券は、取り扱いがありません)
・豊商事:990円
・岩井コスモ証券:220円
・SBI証券:156円
・auカブコム証券:156円
・岡三オンライン:156円
・マネックス証券:155円(税抜き141円)
・ひまわり証券:147円(税込み)
それに対して、大阪取引所の日経225mini(※1)の手数料が最安値の会社は、「日経平均先物取引で手数料、証拠金が有利な証券会社は?」の記事で書いたように、ライブスター証券の35円(※2)になります。
よって、最安値の会社で比較した場合、くりっく株365の日経225先物の方が、大阪取引所の日経225miniの手数料よりも115円程度割高(片道1枚あたり)となります。
(※1)くりっく株365の日経225先物の取引単位は株価指数の数値×100なので、1枚あたりの取引金額は日経225mini1枚あたりの金額とほぼ同じになります。
(※2)税抜き価格。税込みは37.8円。
その他
くりっく株365は株価指数証拠金取引なので、従来の日経225先物取引と同様に証拠金が必要となります。
取引に際して必要となる証拠金の金額に関して、くりっく株365の日経225先物と、大阪取引所の日経225miniを比べてみると以下の通りになります。
これをみると、くりっく株365は、大阪取引所の日経225miniの74%程度の金額となっています。
よって、少ない金額で取引ができるという点では、くりっく株365の方が優れている、という事になります。
大阪取引所の日経225miniの場合 ‥72,000円(SPAN証拠金の掛目が100%の場合)
くりっく株365の日経225の場合 ‥53,300円
※日経225miniの証拠金は2020年1月14日~17日のもの。くりっく株365の日経225の証拠金は2020年1月20日~1月24日のもの。
まとめ
以上見てきたように、くりっく株365の方が従来の日経225先物取引よりもプラス要素の方が多いと思います。
唯一、従来の日経225先物取引の方が優位と思われるのは、証券会社の手数料になるのですが、最安値の会社で比較してその差額は1枚あたり115円程度(往復で売買した場合、230円程度)になります。
ただし、くりっく株365の場合、1枚あたり43,000円程度の年間配当(2019年実績)がついている(1ヶ月平均で3,583円)ので、1ヶ月程度「買い」のポジションを持って手じまえば、手数料が多少高い分は楽に吸収できる(※)、という事になります。
(※)厳密に考えると、配当の支払いがない月もあったりしますので、必ずしもそうとは言い切れないという事になるのですが、ここで言っているのは、あくまでも平均で考えると、という事になります。
くりっく株365は、どこの証券会社がオススメか?
では、くりっく株365で取引する場合、どの証券会社がおススメかという事になるのですが、
1)岡三オンライン くりっく株365は、手数料が最安値圏で、キャッシュバックキャンペーンを実施しています。
キャッシュバックキャンペーン(※)をやっていれば、コストダウンを図る事も可能になるので、おススメです。
(※)岡三オンラインでは、新規口座開設で最大5万円のキャッシュバックキャンペーンを期間限定で実施しています。
※岡三オンラインの詳細については、以下をご参照ください。
2)手数料最安値ということで言えば、ひまわり証券となります。
くりっく株365の取引銘柄に「NASDAQ-100®(ナスダック100)」が追加されました。