昨日の記事で、「目先は110円10銭近辺の安値を維持できるかという点がポイントになります」と書いたのですが、
地政学的リスクの高まりを背景に昨日の夜間市場で円高が進み、110円10銭近辺の安値を3度目の正直で下に抜けてきました。
この水準を維持できればこの下値は相当堅いということになり、その後は反転方向に向かう可能性も高いと思っていたのですが、あっさりと安値割れとなりました。
為替は円高方向に振れたものの、NY市場は下げて始まった後、結局切り返して終わったので、円高+NY株安というダブルパンチとはなりませんでした。
しかし、今日の日経平均は18592円と下落して始まり、その後の日中高値は18602円までだったので、昨日より60円程度マドを空けて続落するという動きになりました。
なお、今日の日中安値は18460円だったので、4/7につけた18517円の安値を割れてきました。
これで目先反転方向に向かう可能性は低くなり、下げの余地が広がる形となったのですが、NY株が意外と底堅い動きとなっているので、日経平均は下げとなっているものの、急落するという動きにまでは至っていません。
4月相場は強いと言われるが、今日安値割れとなったことで過去4年間とは異なる動き方になってきた
月別の株価の動きとして、4月相場は一般的には強いと言われています。
以下は、アベノミクス相場開始の2012年11月以降における、4月の株価とそれ以降の動きを整理したものになります。
2013年:4/2に11805円の安値をつけ、その後15942(5/23)まで上昇
2014年:4/11に13885円の安値をつけ、その後16374(9/25)まで上昇
2015年:4/1に18927円の安値をつけ、その後20952(6/24)まで上昇
2016年:4/8に15471円の安値をつけ、その後17613(4/25)まで上昇
過去4年間の動きを整理しますと、4月前半までに一旦安値をつけて、その後上昇に転じるという動きになっていると言えます。
翻って、2017年4月のここまでの動きを見てみますと、昨日までの時点では4/7につけた18517円が直近の安値となっていました。
過去4年間では、遅くとも4/11までに一旦安値をつけ、以降は反転という動きになっているので、仮に4/7につけた18517円の安値を本日以降割り込んでくると、これまでの4年間とは異質な動き方になってくると思っていたのですが、今日、その安値を割り込んでしまいました。
この点から見ても、ここから反転方向に向かうのはだいぶ厳しくなってきたという事が言えるように思われます。
あとはNY株の動き方次第となるかと思われます。
NY株の下押し圧力が強くなるようであれば、日本株の下値余地は広がると思われるのですが、逆にNY株が崩れないようであれば、日本株の下値余地もそれほど広がらないという可能性もあるかと考えられます。