預貯金などと比較して高い利回りが期待できる一方で、元本割れとなるリスクもあるソーシャルレンディング(※1)なのですが、
7/30の記事「ソーシャルレンディングのラッキーバンクで初めて投資実行してみた」で書いたように、ラッキーバンク(※2)でまずは投資実行をしてみました。
その後も投資を順次増やしていこうと考えているのですが、ソーシャルレンディングの場合、元本保証ではないというリスクがあるので、リスクヘッジの対策を考えておく必要があると、今更ながら考えました。
で、色々と考えてみて、ソーシャルレンディングに投資する場合の投資スタンスや考え方について、少し整理してみました。
ソーシャルレンディングに投資する場合のスタンスについて
1)投資は分散する
当初は数社しかなかったソーシャルレンディングの会社も、今は10社程度あり、各社によって扱うファンドの特徴が異なります。
1社集中だと、その会社に万が一変調をきたすような事態が生じた場合のリスクが大きいので、複数の会社に分けて投資をした方が、リスク分散を図る事が可能になります。
2)投資は担保、保証付きの案件に限定する
ラッキーバンクの場合、担保、保証はありなのですが、他社の場合、担保、保証をつけていない案件もあります。
担保、保証があれば、仮に担保価値が融資実行時よりも下がったとしても、担保の売却により投資家への返済資金に充当する事ができるので、たとえ貸し倒れになったとしても全額回収不能となる可能性は低くなり、リスクは下がります。
(まあ、当たり前の話ではありますが‥‥)
3)なるべく短期間の案件を対象とする
ソーシャルレンディングの運用期間は、案件によりマチマチです。
8/7の記事「ソーシャルレンディングのラッキーバンクのこれまでの投資利回りを調べてみた」でも書いたように、ラッキーバンクの場合、運用期間は最短2か月で、最長が27ヶ月、平均は12.9ヶ月となっています。
全般的な経済環境が良好な時は貸出先の経営状態も悪くないので、返済に特段支障をきたす事はないと思うのですが、
しかし、経済環境が悪くなると、貸出先の経営状態も悪化し、返済が徐々に困難になる可能性が高くなってきます。
運用期間が長くなると、その間の経済環境の変化に対応できないリスクが高くなると思いますので、投資する場合、なるべく短期間の案件を優先しようと思います。
なお、ソーシャルレンディングに投資する投資家全般の傾向として、運用期間が長い案件よりも、短い案件が好まれる傾向があるようです。
4)倒産状況の推移をみて、倒産件数が増えそうな気配が見え始めたらソーシャルレンディングの投資を抑制し、回収比率を高める
ソーシャルレンディングの場合、高い利回りが期待できる一方で、貸し倒れのリスクがあります。
ソーシャルレンディングの会社が増え始めたのは2014~2015年あたりからという事になるのですが、幸いにして、その間、各社において貸し倒れは発生していないようです。
ただ、いつまでも貸し倒れが発生しないとは限らないと思います。
なので、ソーシャルレンディングに投資する場合は、今後、貸し倒れが増えそうか否かという点を一応考慮しながら投資実行をしていく必要があると思います。
とは言え、ソーシャルレンディングの場合、債務者保護の観点から、どこにお金を貸しているのかわからないようにするため、貸出先はすべて匿名になっています。
となると、個別の状況変化はウォッチできないので、できるのは全体の状況変化のウォッチという事になります。
この全体状況のウォッチに使えると思われるのが、東京商工リサーチが月次で発表している、全国企業倒産状況になると思います。
で、まず以下の図は、1995年以降の企業倒産件数の前年対比の推移になります。
これを見ますと、直近で倒産件数が前年より増加となったのは2006~2008年となっています。
2008年というのはあのリーマンショックがあった年になるのですが、この図を見ますと、その2年前の2006年から倒産件数は増えているという事になります。
全体の倒産件数が増える = ソーシャルレンディングの貸し倒れが増える、となるかどうかはわかりませんが、まったく因果関係がないデータではないと思うので、
倒産件数が増加する兆しが見え始めたら ソーシャルレンディングの投資は手控え回収に回る
というスタンスで見て行けば、多少なりとも貸し倒れとなるリスクを抑制する事ができるのではないかと考えます。
なお、最近の傾向はどうかといいますと、2015年までは倒産件数の前年割れが7年連続となっており、倒産件数の減少は続いています。
また、2016年に入ってからの月次推移(下図は2015年1月以降における、倒産件数の前年度同月比の月次推移になります)で見ても、
2月のみ前年同月比より増加となっているのですが、3月以降7月まで5か月連続して倒産件数の減少は続いています。
※以上、出典:東京商工リサーチ全国企業倒産状況より作成
以上のような点からみますと、直近の傾向として、企業の倒産件数が増えるという傾向はまだ見られません。
よって、現在は、ソーシャルレンディングの投資を実行する時期として特段問題がある状況ではない、と考えます。
(あくまでも私の考えでは、という事になりますが)
というわけで、当面は複数の会社に分散してソーシャルレンディングの投資を増やしていく、というスタンスでいこうと考えております。
(※1)ソーシャルレンディングとはそもそもなんぞや、という点については7/18の以下記事をご参照ください。
・ 高利回りが期待できるソーシャルレンディングのメリットとデメリットを鑑みて、ラッキーバンクに口座開設をしてみた
(※2)ラッキーバンクの詳細については、以下をご参照ください。
※その他ご参考:
ソーシャルレンデングでは、次のような会社で投資しています。
①ラッキーバンク
・7/18 「高利回りが期待できるソーシャルレンディングのメリットとデメリットを鑑みて、ラッキーバンクに口座開設をしてみた」
②みんなのクレジット
・8/15 「ソーシャルレンディングのみんなのクレジットで口座開設・投資実行をしてみた」
③クラウドクレジット
・10/15 「ソーシャルレンディングのクラウドクレジットでも口座を開設し、高利回り投資を開始」
④トラストレンディング
・9/19 「ソーシャルレンディングのトラストレンディングで口座開設・投資実行してみた」
⑤OwnersBook
・11/12「ソーシャルレンディングでまた新規に口座を開設/OwnersBookの特徴は、利回りは落ちるが、リスクがやや抑えめになっている点にある」
⑥SBIソーシャルレンディング
・11/20 「SBIソーシャルレンデングの特徴は、長年の実績とSBIグループならではの信頼性」
⑦マネオ
・10/29 「ソーシャルレンディング最大手のマネオでの投資と運用状況/マネオの特徴はやはり長年の実績と信頼性」
⑧その他